米沢 長南の声なき声


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分野別各党マニフェスト(加筆修正版)
2009年08月06日

1、各党の政策基調・キャッチフレーズ
自民党―「安心」「活力」「責任力」
麻生首相は「子どもたちに夢を、若者に希望を、高齢者に安心を」と言っているが、今、それらが失われているのだ。そうなったのは自公政権のせいにほかならない。
「活力」と言っても、「『バラまき』による『活力』」。例えば、池の鯉にパン屑をバラまくと、鯉たちは群がり寄ってバタバタはねる、そのようなものではないのか。
首相は「行過ぎた市場原理主義から決別する」とも言っている。しかし、小泉内閣以来の「構造改革」路線の転換?変節ではないのか。自民党は(公明党もだが)新しいマニフェストよりも、国民に「痛み」を押し付けた4年間の反省・総括が先決ではないのか。いったい、具体的にどこがどう「行き過ぎた」のか、誰の責任なのか、自分には責任ないのか、まるではっきりしない。(自民党・公明党についてはマニフェストを他党のそれと比べてどうのこうの評価するよりは、むしろ両党は、政権党として、これまで何をしてきたのか批評さるべきだろう。「構造改革」―規制緩和・民営化、教育基本法改定、改憲手続法の制定、自衛隊海外派兵、労働者派遣法、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法、社会保障費削減、介護・医療問題、少子化問題、年金記録問題、定額給付金その他のバラまき政策など等だ。)
自民党はマニフェストに「経済成長を10年度後半には年率2%に」、「10年で家庭の手取りを100万円増やし、一人当たりの国民所得を世界のトップクラスに引き上げる」と。しかし、自公政権はこの10年間、家計収入を100万円減らしてきたのだ。
公明党―「生活を守り抜く」「清潔政治の実現」「命を守る政治」「人を育む政治」「緑の産業革命」「行動する国際平和主義」
民主党―「友愛社会―絆を大事にするヨコ社会」
 「官僚丸投げ政治」から「政治家主導の政治」へ
 「各省の縦割りの省益」から「官邸主導の国益」へ
 内需主導型経済への転換
共産党―「暮らしと権利を守るルールある経済社会」「9条を活かした自主・自立の平和外交」「国民が主人公の新しい日本」「建設的野党」(「良いものには協力する、悪いものにはきっぱり反対する」)
社民党―「市場経済市場主義の『競争社会』から『支え合いの社会』へ、『格差拡大の経済大国』から『平和で豊な福祉社会』へ」
「大企業中心の輸出最優先から、人々の暮らしや地域を支える『いのち』(介護・医療・福祉・教育)と『みどり』(農林水産業・環境・自然エネルギー)分野へ重点的に投資
国民新党―「共生社会の復活」「ブレない政治」「郵政見直し」

2、財源・税制
自民党のこれまでの政策と現状>
自公など消費税容認派やマスコミはよく「日本はヨーロッパに比べ国民負担率が低く、法人税は高いが消費税は安い」という。「国民負担率」が低いのは、消費税も安いが、企業負担(法人税など税金と社会保険料)と高所得者の負担が少ないからだ。ヨーロッパは消費税が高いといっても、食料品や生活必需品は非課税。法人税だけなら日本は高いが、企業の社会保険料負担はヨーロッパのほうが多く、両方(税と社会保険料)合わせれば企業負担は日本のほうが少ない(GDP比では、日本7,7%にたいしてイギリス10,0、ドイツ10,2、スイス12,7、スウエーデン13,4。日本の大企業の負担はドイツ・フランスの7~8割)。それに日本は所得税などにたいする最高税率(上限)が低く抑えられていて高所得者の負担が軽い。ヨーロッパは社会保障が日本より充実しており、その負担は、日本と違い、儲けの多いところ、収入の多い人がその能力に応じて多く負担している(国民はそれに納得している)というのが実態。
自民党・公明党とも、今後、国債発行・消費税(景気回復したら11年度から)アップもやむを得ないとする。公明党は消費税の使途を社会保障と少子化対策に限定すると。
しかし、消費税とは、高所得者・低所得者の別なく低年金生活者・生活保護受給者・失業者などまで全ての人に、贅沢品・生活必需品の別なくどの商品にも一律に、購入金額の「~%」(現在、我が国では5%)として課税するもの。それは、所得の少ない人ほど重い負担になり(逆進性)、子育て世代、生活保護を受けている家庭、母子家庭などにとっては一番重くのしかかる税金なのであって、けっして「公平・平等な税金」なんかではなく、「社会保障財源」とするには最も相応しくない税なのだ。(実際、20年前「社会保障財源にする」といって導入しながら、社会保障はかえって悪化したし、減税した法人税の減収の穴埋めされただけ)。
06~07年、所得税・住民税の定率減税を廃止
大資産家・大企業には減税―所得税の最高税率引き下げ、法人税の税率引き下げ、研究開発減税、証券優遇税制(株式の配当や売買譲渡益にかかる税金20%だったのを10%に減税)など。
財政の現状―国・地方合わせて借金800兆円(その借金をつくってきたのは自公政権にほかならない)
<自民党・公明党ともマニフェストに「消費税を含む税制抜本改革を実施」、そして「国・地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を、10年以内黒字化めざす」と。>
借金を将来世代にツケ回しをしないためだとして、まずは消費税の増税が先にありきなのだ。借金の尻拭いを庶民に押しつける消費税増税、それをやってのけられるというのが自民党のいう「責任力」なのか。

民主党
<特別会計・独立行政法人・公益法人をゼロベースで見直す。一般会計・特別会計は企業会計に準じた財務書類作成、国会提出を法制化>
一般会計に特別会計を合わせれば207兆円にもなるはず。そこから財源確保できると。
特別会計は一般会計の2倍以上もの金額におよび、その決算は、毎年の使い残し・剰余金など、今までは、国民にも国会にも開示されず、「霞ヶ関」(各省庁)の「埋蔵金」などと称される「隠れ財源」になっている。それが、官僚の天下り先団体(公益法人・独立行政法人)やその関連企業による無駄な箱物建設に使われ、職員の遊興費にさえ使われているのだ。それにメスをいれる。そして一般会計・特別会計を一体化させて一元管理に変え、明瞭会計にするというわけ。
<予算編成の抜本的見直し―大型公共事業の全面見直しなど>
「事業仕分け」―優先順位の高いものとそうでないものを精査、必要不可欠なものは確保、無駄なもの・不要不急なものはカット。

これら合わせて16兆8千億円の財源確保

消費税アップは4年間据え置き
証券優遇税制はそのまま
法人税にも累進制を導入、一定範囲の所得については現行よりも税率引き下げ
 中小企業の法人税率(18%)を11%に
企業への補助金である各種租税特別措置は「真に必要なものは恒久化」
所得税の配偶者控除は廃止
ガソリン税などの暫定税率も廃止
将来ガソリン税、軽油取引税は「地球温暖化対策税」に、
自動車取得税は廃止

共産党
税金は「応能負担」(負担能力に応じて負担)が原則だと。
大企業の法人税率を97年の水準まで段階的に(景気回復にあわせて)引き上げ―4兆円を確保。
所得税・住民税の最高税率(合わせて)50%を65%(98年以前の水準)に戻す―0,7兆円を確保。
相続税の最高税率も元に戻す
証券優遇税制は廃止(株式配当・譲渡益への減税を元に戻す)―1兆円
無駄遣い・不要不急の事業カット―軍事費5兆円のうち1兆円(ヘリ空母・イージス艦など海外展開用の装備、米軍への「思いやり予算」年間2,800億円、米軍のグアム移転などの再編経費3兆円も)、大型公共事業2兆円、政党助成金320億円など(カット)。
これら合わせて12兆円確保
消費税は上げない、それに食料品など生活必需品は非課税に

社民党
金持ち・大企業優遇の不公平税制の是正
低所得者と子育て世帯に給付付き税額控除制度。
特別会計(「霞ヶ関埋蔵金」特に財投・外為特会)の積立金・剰余金40兆円の活用
法人税率を34,5%に戻して1,7兆円、高額所得者の税率を50%に戻して0,25兆円確保、証券優遇税制を廃止して1兆円、大企業への租税特別措置を大幅縮小などで1,2兆円確保。
環境税と国際連帯税を検討
消費税の税率は上げない、飲食料品分は実質非課税に。
ガソリン税など暫定税率は廃止
国民新党
大企業・高額所得者の税率は引き上げ
消費税を「社会保障目的税」化、税率は据え置き、日常生活品はゼロ税率適用
定率減税を復活
積極財政への転換で年6%の経済成長を達成し、5年後に総額80兆円の税収確保
購入すれば相続税を非課税とする「無利子国債」も財源の一部に。

3、社会保障政策
自民党
<これまでの自公両党の政策と現状とマニフェスト>
   抑制政策―02年から毎年2,200億円カット(来年だけはそのまま)
      応益負担主義
      医療費の窓口負担3割も(先進国では日本だけ、ヨーロッパでは無料なのに)
<マニフェストに「中福祉・中負担」をめざすと>。現実には「低福祉高負担」(経済財政白書―税と社会保険料の負担全体に占める低所得者層の負担割合は主要7ヵ国中最高、社会保障給付では低所得者層への給付割合は下から2番目)
医療費削減―深刻な医師不足、公立病院の統廃合
<マニフェスト―医師数を増やし、勤務医を確保、診療報酬プラス改定、
医師偏在の解消へ向けた臨床研修医制度にすると。>
国民健康保険料が高過ぎて払えない者(34万世帯)から保険証取り上げ
後期高齢者医療制度(75歳以上の人を別枠の医療保険に)―世界でも例のない高齢者差別医療制度
<マニフェスト―低所得者の保険料を9割軽減措置するなど抜本的に見直すも、枠組みは維持>
年金―14年連続で保険料を引き上げながら、自動的に給付水準を下げる仕組みに
低年金―国民年金は満額で6万6千円
「消えた年金記録」問題
<マニフェスト―厚生年金と共済年金の一元化へ―3以内に無年金・低年金対策のための具体的措置>

生活保護―受給資格ありながら現実に受給している者は1~2割だけ 
 母子加算を廃止
障害者自立支援法―応益負担―福祉サービス利用料1割負担
<マニフェストには「見直し」「改正」と>
介護保険法―応益負担、要介護認定制度、利用限度額を定める
<マ二フェスト―特別養護老人ホームなど16万人分、整備。
介護職員の待遇改善(一人当たり月1,5万円の引き上げ相当額を助成)、介護報酬アップ>
公明党
社会保障・教育の充実に毎年2兆円(行政のムダ削減で)
低所得者・子育て世帯への給付付き税額控除制度を導入
高額療養費制度の自己負担限度額を引き上げ
後期高齢者医療制度は存続
年金受給資格を25年から10年に短縮
低所得者への「加算年金」(基礎年金6万6千円を25%上乗せ、8万3千円程度に)創設
特別擁護老人ホームの施設を16万人分整備
児童手当<マニフェストで支給対象拡大>

民主党
年金制度― 一元化、
月7万円の最低保障年金(消費税を財源に)と所得に応じた保険料による「所得比例年金」(一定額以上を受給できる者は最低保障年金は減額)を創設、
全加入者に「年金通帳」を交付(「消えない年金」に)、
社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体徴収
介護―ヘルパーなどの給与、月4万円アップ
医師・看護師らの増員に努める医療機関の診療報酬を増額
医師養成数を1,5倍に
後期高齢者医療制度は廃止。被用者保険と国民健康保険を段階的にに統合し、将来、地域保険として一元的運用。
出産時一時金55万円を支給
障害者自立支援法―廃止、サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法を制定

共産党
保険料の応能負担(個人負担は支払能力に応じ、給付は平等に)
国民年金保険料は年1万円引き下げ
年金加入(保険料を払い続けなければならない)期間を25年から10年に短縮
最低保障年金―当面5万円(全額国庫補助)、その上に支払った保険料に応じた額を上乗せ―国民年金の満額を8万3千円にアップ
後期高齢者医療制度は廃止(老人保健制度に戻す)。
就学前の子ども、75歳以上の医療費の窓口負担を無料に(先進国では当たり前)―早期診療・早期発見・早期治療を促し、結果的に医療費の増大を抑える。
介護保険―国庫負担を50%に戻し、所得の少ない高齢者には負担を求めない
要介護認定制度や利用限度額を廃止―現場の専門家の判断で必要な介護を。
介護労働者の賃金を3万円以上アップ
障害者福祉で働く労働者も同額アップ
障害者自立支援法は廃止(利用料の応益負担を無くす)
生活保護母子加算を復活

社民党
後期高齢者医療制度は廃止(老人保健制度に戻す)。
医師・看護師・福祉・介護職員の増員、待遇改善
国公立病院・厚生年金病院など公的病院の統廃合・民営化ストップ
療養病床の削減計画とリハビリ制限を中止
妊婦健診や出産に健康保険を適用し、自己負担を無料化
年金制度一元化
保険料による「所得比例年金」と税金による「基礎的暮らし年金」を組み合わせ、単身で最低月8万円(最低保障年金)、
公的年金の老年者控除など復活。
障害者自立支援法は廃止―利用料を応益負担から応能負担に戻す。
生活保護の母子加算を復活

国民新党
後期高齢者医療制度は廃止
「老老介護」世帯に月5万~10万円の現金支給
介護現場の給与30%アップ
最低年金保障―月8万円

4、雇用・労働政策
自民党
<これまでの自公両党の政策と現状>
労基法・派遣労働法など労働保護規制の緩和―派遣労働、99年以来、自由化(民主・社民も賛成、共産党だけ反対)、03年以来、製造業にも派遣認める。
「派遣を禁止したら企業はやっていけない」と。しかし、少なくとも資本金10億円以上の大企業には100兆円以上の内部留保があり、その1%を取り崩せば雇用は維持できる(株主への配当は、それを取り崩してやっている)。
派遣社員・契約社員・フリーターなどしかなれない不安定雇用が蔓延。
正社員・非正社員の差別待遇。公務員の非正規職員(ハローワーク職員も)―「官製ワーキングプア」「名ばかり公務員」―民間のような法律による保護がなく、さらに不利。
正社員にはサービス残業・長時間過密労働が強いられる。
最低賃金―現行では(時給)全国平均703円―フルタイムで働いても年収150万円にもならない。生活保護より下回っている都道府県も

<自民党マニフェスト
日雇い派遣だけ原則禁止、
雇用調整助成制度で雇用維持
日本型ワークシェアリング推進
職業訓練中の生活費給付(3年間だけ)、
高齢者に「人材」として活躍してもらう「70歳現役社会」「生涯現役社会」を実現、
  65歳まで定年延長、定年後のカウンセリング支援、教育訓練(麻生首相は、日本の  高齢者は「働くしか能がない」と言っている)、
今後3年間に200万人の雇用確保(10年度後半に年率2%経済成長―根拠?)、女性や  高齢者の労働参加により、10年で家庭の手取り100万円増と。>

公明党
非正規労働者の雇用保険・健康保険・厚生年金の加入要件を緩和
職業訓練期間中の生活支援給付を恒久化
全国平均で時給1,000円の最低賃金を目指す。
民主党
労働者派遣法の抜本改正―製造現場への派遣の原則禁止、日雇い派遣の禁止、
            派遣先労働者との均等待遇原則など
最低賃金―全国平均で時給1,000円に(公明党も)
職業訓練期間中、月額10万円手当て。
共産党
労働者派遣法の抜本改正―製造業・登録型派遣を原則禁止、正規・非正規労働者の均等待遇ルールなど、
「雇用は正社員(が当たり前)」という社会に。
最低賃金―全国一律1,000円に(中小零細企業には雇用保険財政などを活用して賃金助成)
失業給付期間(90~330日)を180~540日程度まで延長
社民党
労働者派遣法の抜本改正―登録型派遣、製造業への派遣を原則禁止
有期雇用も原則禁止
「同一労働・同一賃金」を原則に。
長時間労働を規制。
職業訓練期間中の生活保障を月10万円(法制化)
最低賃金1,000円
国民新党
雇用セーフテーネット構築

5、子育て・教育政策
自民党
<れまでの政策と現状>
テスト競争・下位切捨て・落ちこぼし教育―ストレスがいじめ・不登校を生んでいる。全国学力テストは予算の無駄。
教育基本法を変えた―日の丸・君が代教育(愛国心教育)など管理統制強化。
教員免許更新制を設けた。
<マニフェストに「教員の政治的中立を徹底し、教育現場を正常化」と>
私費負担・高学費(高校で授業料をとっているのはOECD加盟30ヵ国の中で日本以外は3国だけ)(返済義務のない給付制奨学金がないのも日本など3国だけ)
<マニフェストには「OECD諸国並みの公財政教育支出の確保めざす」と>
保育―自公政権の「待機児童ゼロ作戦」の実態は定員以上の詰め込みと営利企業の参入、常勤保育士にかわるパート保育士の導入
<マニフェストには、3~4歳児の幼児教育の無償化(但し、認可外は対象外)、高校生・大学生に給付型奨学金を創設、低所得者の授業料を無償化、4年以内に少人数学級と。>

公明党
就学困難な高校生に授業料減免
給付制奨学金
幼児教育を無償化

民主党
高校教育を無償化(公立の生徒には授業料相当額を、私立の生徒には年額12万円、低所得世帯には24万円分を助成)
「子ども手当て」―中学生までの子どもがいる家庭に月2万6千円を支給
(そのかわり配偶者控除と一般扶養控除は廃止―子どもがいない家庭は増税に)
認可保育所を増設
教員養成課程は6年制に
公立小中学校は保護者・地域住民らが参画する「学校理事会」が運営
教育委員会を抜本的に見直し、教育行政全体を厳格に監視する「教育監査委員会」を設置
生活・進路相談のスクールカウンセラーを全小中学校に配置
共産党
保育料・幼稚園授業料の負担軽減
児童手当(現行、小学6年生まで月5千円)18歳まで月1万円
高校教育を無償化
給付制奨学金

社民党
教育予算を他の先進国並みに対GNP比5%水準に。
高校教育を無償化、給付型奨学金を支給。
「改正」教育基本法と教員免許更新制など教育3法を抜本的に改正
保育料を無料化
子ども手当て―18歳まで一人当たり月万円(第三子以降は2万円)支給。

国民新党
高校教育を無償化
仕送り減税


6、外交・安全保障政策
自民党
<これまでの政策と現状とマニフェスト>
軍事―自衛隊と日米同盟、アメリカの「核の傘」―に依存
自衛隊の海外派兵(特措法でインド洋・イラクへ、海賊対処法でソマリア沖へ。今後は国際協力基本法で恒久化)・武力行使を容認へ。インド洋の補給支援活動は継続
アメリカに向かう弾道ミサイルを迎撃、米国艦艇を防護―集団的自衛権の行使容認へ
非核三原則にもかかわらず、アメリカ軍による核兵器持込みを黙認(密約)
米軍再編の着実な実施
公明党
日米安保を堅持
「加憲」―9条に自衛隊の存在とその「国際貢献」活動などを書き込む
ODA(政府開発援助)を貧困・飢餓・感染症・安全な水・地球温暖化など「人間の安全保障分野」に20%優先的に配分
民主党
武力行使をともなう国連の活動(国連が主導する集団安全保障活動)への参加。
米地位協定の改定を提起、米軍再編や在日米軍基地のあり方も見直しの方向で臨む。
核兵器廃絶の「先頭に立つ」も、米軍の核持込み容認?
「東アジア共同体」の構築(アジア・太平洋地域の域内協力)、北東アジア地域の非核化をめざす。
「友愛外交」―対話・協調外交
共産党
非軍事・平和外交によって安全保障(物事を平和的外交努力によって解決)
核廃絶―日本がイニシャチブを
日米地位協定を抜本改定
日米安保を廃棄して日米対等な友好条約締結へ
社民党
非核3原則を法制化
防衛予算を見直す。自衛隊は「専守防衛」に徹した必要最小限に縮小。
米軍への思いやり予算は廃止
沖縄など米軍基地を縮小・撤去、米軍の「グアム移転協定」廃棄
日米地位協定を全面改正。
国民新党
北朝鮮との関係正常化に政治指導者が訪朝、拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決めざす。

7、農政
自民党
小規模農家・兼業農家を排除へ(「品目横断対策」)
農地集積に協力した農家へ交付金(3億円)
株式会社の農地利用を原則自由化
「減反」政策は維持
主食用米からの転作奨励金を積み増し(1,168億円)―転作助成
二毛作を推進、耕作放棄地は解消
ETA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)交渉を推進―関税など国境措置を撤廃して、日本の工業製品の輸出と引き換えに相手国の農産物を受け入れようとする。

民主党
農家へ所得補償(戸別所得補償制度)―米や麦など基幹農産物の市場価格が生産経費を下回った場合、差額を政府が直接補償、11年度から
ETA容認(「交渉を促進」)、但し、食糧自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない

共産党
農産物の価格保障―1俵あたり1万8千円を確保
農家へ所得補償
多様な家族経営を維持、新規就農者支援制度(月額15万円の支援金を3年間支給)
農産物輸入自由化ストップ―関税など国境措置の維持・強化
ミニマムアクセス米の「義務的」輸入は中止

社民党
農家へ所得補償
強制的な減反を廃止
小麦の20%を米粉、飼料の30%を飼料米・稲でまかなう。
小規模・家族農業を守る。
FTA・EPA政策を見直す。
国民新党
減反の抜本見直し
農家へ所得補償

8、中小企業政策
自民党
中小企業向け官公需契約(受注)を拡大、
「自殺の大きな原因となっている」中小企業金融の連帯保証人制度を見直す。
民主党
中小企業の法人税率を11%に引き下げ
 「中小企業いじめ防止法」―大企業の不当な値引きや押し付け販売などを禁止
共産党
中小企業向け雇用調整助成金を充実―助成率を休業補償の5分の4から5分の5にアップ、給付開始を早める
貸し渋りを止めさせ、信用保証制度を改善
緊急の休業補償に直接支援(廃業・倒産しないように)
中小企業予算を年1兆円程度に増額。中小企業の法人税引き下げも。
大企業・大銀行の横暴(「下請け切り」「貸し渋り・貸しはがし」、大型店の一方的な出退店)を規制
社民党
中小企業の経営・金融支援(予算を4,000億円に倍増)
中小企業減税―法人税率11%に
国民新党
中小零細企業の経営資金返済に最長3年間の支払い猶予制度。
零細企業者が優先受注する入札制度「良き談合」を検討。

9、環境・エネルギー政策
自民党
太陽光発電の買取制度など再生可能エネルギーの需給拡大―「低炭素社会づくり推進基本法」制定
温室効果ガス―20年の削減目標を05年比15%減に(90年比では8%)(EUは90年比で20~30%削減をめざしているのに)
原子力エネルギーの利用強化
電気・ハイブリット車など次世代自動車―1年間で100万台程度の需要を増やす
公明党
温室効果ガス―20年までに90年比で25%削減
太陽光発電導入量を20年までに20倍アップ
太陽光発電の電力買取り制度、エコカー・エコポイント制度の推進
炭素税の導入を検討
民主党
温室効果ガス―20年までに90年比で25%削減
       排出量取引市場を創設
環境関連産業の育成
再生可能エネルギーを電力会社が買い取る固定価格買取り制度を早期に導入
太陽光パネル・エコカー・エコ家電など購入に助成
CO2排出に課税する地球温暖化対策税の導入を検討
共産党
一次エネルギーに占める自然エネルギー(現在20%)を20年までに20%に
固定価格買取義務制度を導入(電力会社が自然エネルギーによる電力全般を10年程度で初期投資の費用を回収できる価格で全量買い入れる)
温室効果ガス―90年比で30%削減
原発だのみの温暖化対策はやめる
企業に国内排出量取引制度・環境税を導入
社民党
温室効果ガスを20年までに90年比で30%削減
太陽光、風力発電を電力会社が一定価格で買い取る固定価格買取制度を導入
企業に国内排出量取引制度を導入。
炭素税を導入
10、地方分権化
自民党
これまでの政策―「三位一体改革」で、3兆円を税源委譲したものの、国庫補助を4,7兆円減らし、地方交付税を5,1兆円減らして、差し引き7兆円近くも地方財源を大幅削減した。そして市町村合併を押しつけた。
国から地方への支出―福祉・教育への国庫負担金・補助金を廃止か縮減へ(国の責任・負担を軽減)
<マニフェスト>
国の出先機関の廃止・縮小へ「新分権一括法」。
道州制を導入(基本法制定し6~8年を目途に)―国の仕事を外交・軍事・司法などに限定する一方、暮らしや雇用・福祉・教育など国民の基本的な権利を守る国の責任を放棄して地方に押しつける。財界にとっては、それによって広域行政を担う道州にインフラ整備の大型開発などのための財源を集中させることができるようになるというメリット。
高速道路・港湾・ダムなど国の直轄事業の維持管理費負担金(国職員手当の負担とともに地方に押し付けてきた)は10年度から廃止
地方向け経済危機対策臨時交付金・地方交付税の特別枠(地域雇用創出推進費)などの予算措置

民主党
「ひもつき」補助金を廃止し、地方が自由に使える「一括交付金」に変える。
国の出先機関は原則廃止
国直轄事業への地方負担金は廃止
道州制を検討するも、市町村を重視。

公明党
「地域主権型道州制」を10年後から
市町村合併を進め、1,000の基礎自治体をめざす。
国の直轄公共事業への地方負担金は廃止
共産党
地方交付税の復元・増額で、住民の暮らしを守るための地方の財源総額確保。
国直轄事業の地方負担は「必要な事業は国の責任と負担で行う」という方向で抜本的に 見直す。
道州制に反対(自治体行政が住民に遠くなるから)
社民党
税源委譲により国と地方の税源配分(現行   )を5:5に
地方交付税を復活・増額
国直轄事業の地方負担金を廃止
国民新党
自治体の裁量で使途が決められる「生き生き地方復活交付金」(5年間で18兆円)を提唱

11、郵政
民主党
郵政事業を抜本見直し
共産党
民営化を中止―郵政株の売却を中止、
   3事業一体の運営を堅持
   ユニバーサルサービスを守り、利権を許さない公的な事業として再生
社民党
民営化を抜本見直し、郵便局網と三事業のユニバーサルサービス(全国同一サービス)を守る
国民新党
民営化見直し、
日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生保の株式売却は凍結。
3事業一体運営
    
12、道路・公共事業
自民党
国交省工事中止予定(凍結)の国道18路線のうち17再開
積極的に道路整備(費用対効果にとらわれない)
(道路は多過ぎるほどなのに―各国の可住面積当たり道路密度の比較では日本はイギリスの5倍、ドイツの11倍)
民主党
高速道路を原則無料化(首都・阪神両高速は除く)
(問題点―①道路の補修・管理費や旧道路公団の借金返済を税金が肩代わりしなけれ
     ばならないことに。②CO2排出量が増大)
ガソリン税など暫定税率は廃止
ダムなど不要不急の公共事業は中止・見直し
不透明な随意契約を一掃
共産党
小規模・生活密着型・福祉型の公共事業への転換
高速道路の無料化は反対
社民党
不要不急の大型公共事業を中止
随意契約の見直し

13、憲法
自民党―憲法審査会を早期に始動させ、早期の改憲を実現すると。
民主党―(マニフェストに記載はないが)改憲志向(鳩山代表の改憲案には9条に「陸海空その他の組織から成る自衛軍を保持する」と)
公明党―「加憲」
共産党・社民党―これらに反対

14、その他
民主党・共産党・社民党―企業・団体献金の禁止
議員世襲立候補の禁止
民主党―現職国会議員の配偶者・3親等内の親族が同一選挙区で立候補するのを禁止、
公明党―同上
共産党・社民党
自民党はそれらの立候補者を次の次の総選挙から公認・推薦しないと
天下り禁止
 「天下り」の構造―財界.業界が、一部の特権官僚に「天下り」先を保障する、その見返りに官僚が財界.業界の利益につながる政策をたてる、それを自民党などの政治家が国会で成立させ、その見返りとして財界.業界が多額の政治献金をする(政・官・財の癒着「トライアングル」構造)
 民主党―天下り先の独立行政法人を廃止
 公明党―公務員の早期退職慣行を廃止
 共産党―企業献金とともに高級官僚の天下り禁止の法律制定 
 国民新党―特殊法人を全廃
国家公務員の削減
 問題点―福祉・医療・教育・労働局・ハローワークなどにたずさわる人を減らしたり、不安定で劣悪な労働条件の非正規職員に置き換えたら国民にとって甚だぐあいのわるいことになる。
 自民党―10年間で20%(8万1千人)削減
人事評価、連続3年間「不良」評価は分限免職
     定年(延長)まで勤務できる制度に
 民主党―国家公務員の総人件費の2割削減
  公務員の労働基本権を回復
 議員定数削減
公務員の数も国会議員の数も、日本は世界的な基準で見ても、けっして多いというわけではないのに。
財政難に「国会自身が身を削るため」と言いながら、少数政党を国会から締め出し、議席を二大政党で独占してしまう。国民の多様な立場を代表する意見が国会に反映されなくなり、国会は多くの国民から遠のき、選挙など「そんなの関係ねぇ」という人々が、益々増える結果になる。
 自民党―次回の総選挙から衆院議員定数1割削減、10年後、衆参両院3割以上削減
 民主党―衆院比例代表定数80人削減
 公明党―新たな中選挙区制を導入したうえで、大幅な削減を認める
 共産党・社民党は反対 
 共産党は衆院選挙制度を全国11ブロックの比例代表制に改革
 社民党―審議会や公的役員人事を公募
  国や自治体の入札は公正労働基準(人間らしく働ける賃金・労働条件)や福祉・人権・環境などに配慮することを要件とする。
  裁判制度の見直し

政党助成金の廃止 
 現状―自民党は資金の6割を、民主党は8割を助成金でまかなっている(まるで「国営政党」の如し)。
共産党はこれまでも唯一受け取り拒否(税金をこのようなものに注ぎ込むのは不合理であり、これこそが税金の無駄だと)


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