米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


「安心社会実現」はどの党が?
2009年07月26日

 麻生首相は衆院解散にあたって記者会見で、「子どもたちに夢を、若者に希望を、高齢者に安心を」ということで、今度の総選挙は「雇用に不安のない、老後に不安のない、子育てに不安のない社会を実現する『安心社会実現』選挙だ」と語った。
 これに対して野党の方は、「自公政治のもとで、国民の暮らしの安心が奪われ、希望が奪われた。」「国民のだれもが安心と希望がもてる新しい日本をつくろう」(共産党・志位委員長)と論じている。
いずれにしても、「安心社会実現」は、今、国民の多くが一番切実に求めているところであり、今度の選挙争点の核心であることは確かだと思う。
 今の日本社会は様々な不安に満ちあふれている。幼児虐待・いじめ・不登校・高学費・就職難・雇用不安・ワーキングプア・ニート・結婚難・子育て不安・無保険・年金不安・無年金・破産・倒産・ホームレス・うつ病・医療難民・介護難民・非行・犯罪・自殺・餓死・過労死、それに地球環境悪化・核ミサイル・テロの不安。まったく不安だらけだ。
 昔も不安はあったことはあった。戦争中や戦後しばらくの間。しかし戦争が終わってからというものは、新憲法で不戦平和が保証されて戦争の不安は遠のき、歌謡曲に「晴れた空、そよぐ風」、「新国民歌」(芳賀秀次郎―当時山形南高校教師―作詩、NHKラジオで毎日流された)に「我ら愛す・・・この国の空の青さよ」と歌われ、人々はどん底から這い上がって生活再建に邁進、日本経済は右肩上がりで成長の一途をたどった。人々には希望があったし、或は植木等が「銭の無い奴ぁ俺んとこへ来い、俺も無いけど心配すんな、見ろよ青い空、白い雲、そのうちなんとか、なるだろうさ」などと歌えた安心感がなんとなくあった。
 しかし今は「希望なき不安社会」に化している。孫たちの行く末が心配でならない。はたして、まともに生きていかれるのか。
 麻生首相は、よくぞ「安心社会実現」を争点にしてくれたものだが、庶民から安心と希望を奪ってきた元凶は、当の麻生氏が担ってきた自公政権ではないのか。そのお方が、いくら「安心社会を実現できるのは我が自民党と公明党だ」と言い立てたところで、人々が真に受けるとでも思っているのだろうか。
 彼らが言う「安心社会」とは、財界・大企業・大資産家・官僚・世襲政治家それにアメリカの金融資本家・産軍複合体などの特定の人たちにとっての安心社会であり、これらの人たちが安心してその利権・既得権・資産を維持し続けることのできる社会にほかなるまい。
 それに対して、すべての国民とりわけ庶民にとっての安心社会実現のために、それこそ一番真剣に取り組んでくれそうな党はどこなのか、であり、そこを判断するのが今度の総選挙なのでは。
 具体的には
①医療・介護・年金など社会保障政策
②雇用・労働政策
③子育て・教育政策
④中小企業・農業政策
⑤環境・エネルギー政策
⑥外交・安全保障政策
⑦財源・税金問題
 これらに対して、真に庶民の立場に立った安心社会実現という観点から一番適切なマニフェストを掲げて、かねてからブレずに取り組んでもきている党はどの党なのか、そこのところをよくよく見極めて投票したいものです。
 なにしろ、この身、子や孫の運命がかかっている選挙なのですから。

 尚、この選挙で自公政権を引きずり落とすために民主党を勝たせるだけでなく、是々非々でキャスチングボードを握る役割を果たす第三極が必要であり、その党はどこなのか、それにも大きな考慮を払わなければならないのでは、と思います。
 最悪のシナリオは、自民・民主二大政党が、もしかして選挙後に大連立を組むか、野合して比例区議員定数削減を決めて少数党を国会から排除するようにしたり、改憲を強行することです。そんなことにでもなったら大変だ。


ホームへ戻る