米沢 長南の声なき声


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「給油」打ち切りこそが国益
2008年09月22日

 「国際テロ対策」―「給油」についての投稿があった(朝日)。それは、給油は「国際テロ活動に対する唯一の国際貢献」であり、「インド洋をテロから守ることにつながり」石油輸送路の安全確保のためにも国益に適う、というもので、国際貢献や国益を日米軍事協力のやり方でしか考えられていない。
 「給油」は戦争への介入であり、対戦している一方の側への加担であって、他方の側に対する敵対行為である。そのような戦争加担は、日本は平和中立で、アフガンの人々の人道復興支援に献身してくれるとのイメージを突き崩し、ついにNGOの一日本人青年が狙われて殺害される事態も起きた。
 「対テロ戦争」でテロは無くなりつつあるのかといえばさにあらず、泥沼化して治安は悪化し、多くの民間人が巻き込まれて犠牲になっているのだ。
 「インド洋をテロから守る」などと、さもテロリストがインド洋をさかんに往来しているかのように云うのは実態からかけ離れた机上の空論であり、海賊対策などシーレーンの安全確保にために必要な警備活動ならそれとして相応しいやり方で行うべきであり、アフガン作戦に従事している艦船に給油し戦争に加担するそのついでにやるべきことではあるまい。
 このような「給油」はやめるのが国益であり、平和憲法を高く掲げて「紛争の平和的解決」「戦争もテロも放棄」を世界に訴えることこそ我が国に相応しい国際貢献である。
 このような「国益という見地からの反対理由」があるからこそ反対が叫ばれているのであって、「反対のための反対」などあり得まい。

*[この投稿は9月26日付け朝日新聞に載った]


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