米沢 長南の声なき声


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「国境なき記者団」に疑問
2008年03月25日

 「チベット騒乱」について、私は実態も、そもそものいきさつも、よくはわからないし、中国・現地政府の「暴動鎮圧」のやり方、それに外国人記者の現地入り取材禁止等の措置を支持しているわけでも、それへの抗議行動に反対しているわけでもないのだが、オリンピアでの聖火採火式に際する「国境なき記者団」による妨害行為には甚だ疑問を感じている。
 それは何故かというに、彼らが「記者団」即ちジャーナリストだからである。その使命は人々に正しい事実情報を伝えることであって、彼らには報道の自由があり、どんな国の政府であれ非政府組織・反政府勢力であれ、或はIOCなどの非政治団体であれ個人であれ、それらがそこでやってきたこと、やろうとしていることを事実情報として世界に伝え、或はその問題点を指摘し批判を加える権利までは認められるとしても、それを妨害し阻む権利までも認められてはいないはず。
 ジャーナリストが聖火採火式で事を起こし、メディアがその映像を世界に流すことによって彼らの主張を国際世論に訴えようとしたのであろうが、自身が事を起こして事件として報道させる、いわば「事件の自作自演」はジャーナリストとして許される行為なのか。またそれをそのまま流したメディアもいかがなものか。


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