米沢 長南の声なき声


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アフガン民衆の側からの視点では?
2007年11月03日

 1日、テロ特措法の期限が切れ、インド洋派遣部隊は撤収、帰国の途についた。NHKや他紙の中には、それを残念がる論調で伝える向きが多い。「テロとの戦い」の戦列から脱落、国際社会からの評価と日米同盟の信頼性に傷がつく、というわけである。
 映される映像はといえば、洋上で給油に携わる自衛艦と艦上の自衛隊員の姿ばかりであり、給油を受けた艦上から飛び立つ艦載機によって空爆にさらされているアフガン民衆の姿はほとんど見られない。戦乱にあえぐ民衆の戦争被害の実態には目をつぶっているのである。
 現地で医療や井戸掘りにたずさわっているNGOの中村哲氏は、「恐怖の対象はテロではなく米軍からの攻撃だ」「殺しながら助けるなんてインチキだ」と語っている。また、アフガンで日本政府特別代表として軍閥の武装解除にあたってきた東京外大の伊勢崎教授も、「日本は結局、民生部門で活動するNGOをも危機にさらす事態を招いている」、アフガン人は日本人に対して信頼を寄せていたが、日本が給油活動をやっていることがクローズアップされるようになった今、「私がテロリストなら、日本人を襲うでしょう」とも語っている。
 メディアは、もっとアフガン民衆の実情をとりあげ、彼ら民衆の目から見て、日本の給油活動はどうなのか論評してもらいたい。


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