米沢 長南の声なき声


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クラスター弾「必要」論はおかしい
2007年05月29日

 クラスター爆弾について、防衛相は「海岸線が長いため広範囲にわたって敵の上陸を撃破」する必要上持っておくべきだといい、空幕長は「国民が爆弾で被害を受けるか、敵国に日本が占領されるか、どちらかを考えた時、防衛手段を持っておくべきだ」として必要論を説いている。
 しかし、はたして、この日本に渡海上陸侵攻を敢行できる国などあるのか。それができるためには、我が自衛隊に打ち勝って制空権・制海権を取らなければならないし、海上輸送できるだけの何百隻もの船舶を集中できなければならない。ましてや日本全土もしくは一部でも制圧して占領し続けられる大兵力と装備・補給品を投入できる能力を持った国などあり得まい。現にアメリカでさえもイラクでそれが困難に直面している。
 第一、防衛省の「防衛計画の大綱」は、我が国に対する「本格的な侵略事態生起の可能性は低下している」としているのである。
 したがって、我が国にとってクラスター爆弾は防衛手段としてどうしても必要だということにはならないはず。
 我が国は自ら率先してそれを廃棄し、禁止条約を支持してアメリカをも説得すべきなのだ。
 それこそが、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」と憲法に定めている我が国の責務なのではあるまいか。


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