米沢 長南の声なき声


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鈍感力は困る
2007年02月21日

 小泉前首相が政府・与党幹部に助言して「目先のことには鈍感になれ。鈍感力が大事だ。」「日本が近隣諸国よりも格差があると思うか」などと語ったそうである。
 格差問題は近隣諸国と比べてどうかではなく、ヨーロッパ先進諸国と比べて相対的貧困率がどの国よりも高くなっていることが問題なのではないか。
 「鈍感力」も、単に政府与党内のうちわ話で、野党の批判や支持率に「いちいち気にするな」というそれだけのことならば、そんな言葉をとやかく取り上げる必要もないのだが、某局のワイドショーでは、コメンテーターが「流行語大賞になるかも」などと、なぜか肯定的に受け取れるような論評を加えていた。しかし、必死で「痛みに耐えている」弱者のうめき声、亀井静香氏には「日本列島の津々浦々から聞こえる」という、その「うめき声」に対して「鈍感力」が発揮されたのではたまったものではあるまい。「いじめ」にあって死ぬほど辛い思いをしている子どもの心に「鈍感力」など、とんでもない話だろう。「女性は生む機械」発言に対しても、「事務所費疑惑」に対しても、国民は鈍感でいるわけにはいかないのである。
 首相や政治家・教師はもとより、国民の心に「鈍感力」が身に付いてしまったら、美しい国・日本は終わりだ。
 


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