米沢 長南の声なき声


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教員評価制で悲劇は無くなる?
2006年12月07日

 規制改革会議が「いじめ」問題に関連して学校選択制と教員評価制の導入を答申しようとしている。匿名による教員評価を学校長や教育委員会に提出することを義務付け、親や子どもが学校を選択できるようにする。そうすれば子どもたちの「悲劇は予防」できるというわけである。

 しかし、繁忙を極める日常業務の上に、校長や個々の教員を分断・孤立させプレッシャーをかけるこのようなやり方は、かえってストレスをひどくし、自信喪失や抑うつ状態に追い込んで、生徒と信頼関係を結べない教師をつくる結果になり、それがまた、子どもたちに、学力テスト競争のプレッシャーと相まって、さらに「いじめ」や悲劇を生むという結果をもたらす。

評価によって学校や教師が選び抜かれたとしても、「ダメな学校や教師」を切り捨てたそのあとに「まともな学校・教師」が充足されるという保障はないわけである。教員の待遇や増員によって勤務時間など労働条件が改善されないかぎり、尊敬もされず信頼もされないそのような所で好き好んで教職に就こうとする者はそんなに居るはずはあるまい。

 学校選択制とか教員評価などで、事態は改善されるどころか、かえって悪化する。そのようなやり方はやめたほうがよい。


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