米沢 長南の声なき声


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やらせ改正教育基本法
2006年12月24日

「改正」教育基本法が成立した。しかし、それは、政府が「改正」を持ち出し、タウン・ミーティングで「やらせ質問」等を仕組んで世論誘導を行い、反対する野党や教職員・市民団体の声、慎重審議を求める国民大多数の声を無視して、与党が議席の数に物を言わせ、審議を打ち切って採決を強行したものだ。国民には、それは、いわば「やらせ改正教基法」としてイメージされ、後世代にわたって記憶が引き継がれることになるだろう。

それは、法文に「真理と正義を希求し」とか「道徳心を培う」「正義を重んずる」などと定めていながら、ごまかしと不公正という非教育的なやり方で制定された。また、制定過程に瑕疵があるだけでなく、改正法自体に、国家が教育目標を定め、教育内容にまで介入して内心の自由や教育の自主性を侵害するという憲法違反を含んでいる。

 教育とは、生徒・子どもらにとっては、彼らを教える教師・大人の人徳に権威を認め、互いの信頼関係の上に成立するものであるが、「やらせ教育基本法」には何の権威も信頼も認めることはできまい。しかし、権力者はこれを彼らの意図する教育と教育施策の推進に活用するだろう。国民・教師はこれに抗して自らの教育を守り抜いていかなければならない。


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