米沢 長南の声なき声


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NHK「祖父の戦場を知る」を見て
2006年09月04日

 孫は祖父が犯した罪をどのように考えるものか。それには3通り考えられる。

 一つは、それは祖父のやったことであって、自分には関わりのないこととして、格別こだわらない。

 二番目は、祖父をかばって、都合の悪い事実には目をつぶるか、或は罪を否定し、必要やむを得ざる行為であったとして正当化する。

 三番目は、真実を知り、法的に裁判のやり方がどうのこうのだけではなく道義的に罪は罪として認め、我が事として引継いで同じ罪を繰り返さない決意と被害者に対する侘びの心を持ち続ける。

 これらのことは、日本の過去の戦争に対して今の政治家・国民はどのような考え方をするかという問題につながっている。

 NHK教育ETV特集「祖父の戦場を知る」は、戦場体験のある数人の方々を紹介していた。

 砲撃で右腕を失った方は、今もうずくその傷よりも、中国人捕虜を銃剣で刺し殺した、その罪の意識にさいなまれてきたという。戦地で一緒に居た者は皆死んだが、彼らはあんなに悲惨な戦争は二度と起こしてもらいたくないと思ったはず、そのことを後世代に伝えるのは生き残った者の責任、と語っておられた方もいた。この番組は、3通りあるうちの三番目のあり方を考えさせるものであった。


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