米沢 長南の声なき声


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靖国と若者たち
2006年08月22日

 世論調査によると、若者世代ほど首相の靖国参拝に賛成が多い。それは一体何故なのか。「戦争を知らない」とか「近現代史を学んでいない」せいも確かにあるだろう。しかし次のような原因もありはしまいか。

このところ競争脱落者やニートといったものが増え、彼らは社会的に活躍できる場や精神的な拠り所を見出せないでいる。折から近隣諸国との間の様々な問題、それに自衛隊の海外派遣など国家を強く意識せざるをえないような問題がもちあがっている。そこに首相の参拝で靖国神社がクローズアップされると、その若者たちは、かつて国のために戦って散った若き命を祀っているこの神社にがぜん心が引き付けられる。

NHK19日の「@ヒューマン」で首相の靖国参拝を取りあげた中で、靖国神社崇敬奉賛会青年部に加わって奉仕活動に励んでいる一人の大学生を紹介していた。彼は将来不安にさいなまれ自宅にこもりがちであったが、硫黄島の遺骨収集作業に誘われ、そこで「この兵士たちの苦労を思えば」と発奮したようである。

若者たちの多くに居場所を見出せなくした、その埋め合わせに、彼らの心を「お国」の方に向け、「国のため」という国家主義の方向に導く。それが小泉政治だったのではないか。


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