米沢 長南の声なき声


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昭和天皇「謁見録」で解ったこと 
2006年07月28日

 現行憲法の「戦争放棄」は連合国から押しつけられたものだと思っている向きがあるが、マッカーサーは、その回想録で「押し付け」を否定し、それを提案したのは制定当時首相だった幣原喜重郎だったと書いている。そして幣原自身も自らの回想録に「戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならんということは、私の信念からであって、決して誰からも強いられたものではない」といったことを書いている。

 ところで、昭和天皇が憲法制定前、マッカーサーと初めて会う前こと、アメリカ人記者と謁見して質問に回答した文書の控えが、このほど宮内庁で見つかったとのこと。それには「平和的な貢献により日本がやがて国際社会で正当な地位を再び占める」「武器を使うことで恒久平和が確立・維持されるとは思わない」といったことが書かれてある。報道によると、その回答文の原案を作成したのは幣原だったという。

 その資料発掘で解ったことは「戦争放棄」の発案者は、やはり幣原だったということ、それに昭和天皇が予め同意しておられたということであろう。いずれにしても、9条は外国から押し付けられたものではないということが、さらにはっきりしたということではあるまいか。


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