米沢 長南の声なき声


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憲法とソフト・パワー戦略
2006年05月01日

 我が国は先の大戦で、国内外に未曾有の惨害をもたらし、降伏して武装解除した。連合国は国連憲章に、戦争だけでなく武力による威嚇・武力行使の原則的禁止を定め、我が国は新憲法に、戦争放棄とともに、世界に先駆けて交戦権の否認と戦力の不保持を定めた。

しかし世界では、その後冷戦が続いて軍拡競争がおこなわれ、朝鮮戦争などあちこちで紛争が起きた。そして我が国は、アメリカに従って再軍備、増強して軍事的にも大国として復活するようになった。

今、我々は、改憲して軍事制約を取り払い、我が国がひき続きアメリカに従ってハード・パワーによって「脅威」を抑え込もうとする戦略をとるのか、それとも、その軍事制約条項を堅持し、それに基づいて自国の軍縮を実行しつつ、諸国にも軍縮・核廃絶を働きかけ、ソフト・パワーによって敵意や憎しみを取り除く新戦略をとるのか、そのどちらを選ぶかの選択を迫られている。

ハード・パワーに物を言わせるやり方は相手に反発・対抗意識をかきたて、攻撃を抑止するどころか、かえってそれを誘発する。我が子や孫たちの行く末を考えると、どうしても、現行憲法を堅持し、ハード・パワー依存は避けてソフト・パワーに徹する新戦略に転換する、その方の選択を願わずにはいられない。


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