米沢 長南の声なき声


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藤原論文には私も疑問
2006年02月07日

 藤原帰一氏は、「平和とは戦争のない状態」その平和を支えるのは「各国の武力による威嚇」と論じておられるが、平和とは、戦争がないだけではなく、恐怖もないという状態のはず。アメリカのようにいかに圧倒的な軍備をもってしても、武力による威嚇によっては、9・11事件のように敵対者からの攻撃は抑止しきれず、どこかに恨みを買い敵を作る政策を採り続ける限り、彼らからいつ攻撃されるか判らないという恐怖に脅えなければならない。「武力による威嚇」それは自分たちにとっては相手に対する「抑止力」になるが、相手側にとっては恐怖となるわけである。

 平和すなわち戦争と恐怖のない状態を実現するには、自分の側にも他者の側にも戦争と恐怖をまねく原因となるものを除去する以外にない。戦争・恐怖の原因はといえば、それは、「他者の排除なしに平和はあり得ないと信じ込む」急進勢力の「理想主義」が原因なわけではなく、一つには、欠乏と屈従などそれを打破するためには自爆的な戦争やテロに訴えるしかないという絶望的状況におかれている者たちがいるということであり、まずはそれを無くすこと。もう一つは、武力やテロによる威嚇そのものが原因であり、その威嚇を互いにやめ、敵を作るような政策をとらないことだ。


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