米沢 長南の声なき声


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本紙の「憲法ってなに?」(中)を読んで
2005年11月03日

〔朝日新聞11月1日、作家の福井晴敏氏と映画監督の是枝裕和氏の対論〕

 福井氏は、「自分の盾だけで全土を」守るという防衛体制が必要だが、「撃たれる前に撃つ」のは避け「絶対こっちからは撃たない」で「最初の一発は我慢する」という方が望ましいとの考えのようである。

 しかし、「最初の一発は我慢する」といっても同時多発、たとえミサイル防衛網ができたとしても、それで百発百中すべてを撃ち落すことは不可能であろうし、どこかに着弾してそこが「火の海」にならないとも限らず、それに果たして我慢できるのかどうかである。そんなことだったら、むしろ相手側の発進基地に先制攻撃をかけた方が日本領域の被害リスクが回避できるだけましだとも考えられる。しかし、それは侵略と見なされ、相手国民のみならず国際社会の反発や恨みを買わずにはおかない。相手側も、国際社会から制裁をこうむるリスクを冒してまで、日本に対して一方的に攻撃をかけてきたとして、それで果たしてどんなメリットあるというのだろうか。そこのところを、まさに「撃つ前に考える」べきなのではないか。

 是枝氏は、「どちらも100%の安全はないし、犠牲を伴うけど」、「武力ではなく、話し合いで紛争を解決できる国と国の関係の構築を目指す憲法」「のリスクなら引き受ける」と述べておられるが、同感である。


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