米沢 長南の声なき声


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一体何のための民営化?
2005年09月08日

 郵政民営化論は「郵貯・簡保資金で国債を大量に買うことが無駄な公共事業や特殊法人の温存につながっているから、そうならないようにするためだ」とか「電子メールの時代、郵便は減り、郵政公社の経営はジリ貧になるからだ」とか「郵便局員が公務員でなくなり、公社が民間会社になれば、それへの税金の支出はなくなるし、その会社から法人税が入ってくるようになり、財政危機打開になるからだ」等のことを理由にしている。

しかし、公共事業など財投計画をたて財投債を発行するのは政府であり、公社は郵貯・簡保の資金運用に、他の銀行とともに、その国債を買い付けているだけ。無駄な事業を計画するかしないかは政府の責任なのであって、公社自体の責任ではない。郵便事業を国営でやっているアメリカではインターネットの普及でむしろ郵便量は増えている。また公社は今のままなら黒字だが、民営化すれば委託手数料や預金保険料などの費用がかさんでかえって赤字になる(担当大臣がそれを認めている)。郵政公社は独立採算制で税金は使っていない上に、会社の法人税を大きく上回るほどの国庫納付金を納めることになっている。

だとすれば一体何のための民営化なのか。日米の銀行・保険会社・宅配便業界にとって有利であることだけは確かだろう。


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