米沢 長南の声なき声


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小泉自民党が圧勝して
2005年09月12日

 かつて我が国では深刻な不況・生活不安が広がる中で、財閥と結びついて腐敗した二大政党に対する国民の不信に乗じて、「国家改造」「革新」を掲げた右翼・軍人が台頭、政府の実権は軍部が握るようになり、東条首相はその方針に異を唱える議員を国会から排除するために総選挙を行った。ドイツでも同じような状況下で、既存政党に対する不信に乗じてヒトラーの率いるナチス党が「革新」を掲げて選挙で大躍進し、独裁権を握るに至った。

 ヒトラーは、「大衆は、理性によってよりも、感情に左右される。頭の低い人よりも強い支配者を好む」「小さな嘘はすぐばれるが、大きな嘘は何度も繰り返すうちに真実だと思われてくる」と書いたものだ。今回の日本の総選挙で小泉自民党は大勝を博したが、その手法は、ヒトラーのこの大衆デマゴギーと似ていないか。くどくどしい説明をぬきにして、ワンフレーズを繰り返すだけ。「自民党をぶっこわす」「既得権を打破する」「殺されてもいい」といった言葉で演説をぶてばすばらしい改革のように聞こえるのだ。

 しかし、財界や「勝ち組」以外に、庶民にとっては痛みのほかに何かいいことあるのだろうか。かつてのドイツや日本のようなことにならなければよいのだが。


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