米沢 長南の声なき声


ホームへ戻る


戦争の被害者と加害者
2005年08月18日

 民放のあるテレビ局の戦後60年特別企画「ヒロシマ」を見たが、その中に、原爆開発にたずさわり広島上空から「きのこ雲」を自ら撮影したというハロルド・アグニュー博士が出演していた。彼は来日して広島を訪れたが、そこで、「『罪なき民間人』というが、それは違う。戦時中は誰もが戦争に貢献をしていた。罪なき人はいない」と述べた。しかし、原爆資料館を見学すると、そこでは、説明を聞きながら「ひどい話だ」を連発していた。その後二人の被爆者の方と面会し、話を交わしているうちに、被爆者の方から「謝ってほしい」という言葉が出た。すると博士は「私は謝らない。リメンバー・パールハーバー、謝るのはそちらの方だ」と言ったものだ。被爆者の方はくやしくて残念でしかたないという面持ち。

 それを見て私は考え込んでしまった。アメリカ人でさえ、日本人はあくまで加害者なのだと思っている。ましてや中国人・韓国人などアジアの人たちはなおさらだろう。

 番組の中で筑紫哲也氏は「戦争の被害者の気持を加害者の方が思いやるというのは、とても難しい」と述べていたが、日本人が中国・韓国などアジア諸国の被害者の方々を思いやるのは、やはり難しいことなのだろうか。


ホームへ戻る