米沢 長南の声なき声


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イラク復興はこうすれば
2004年07月12日

 暫定政府に形式的に主権委譲がおこなわれ、この先、国民の選挙で正式政府ができようが、アメリカ連合軍が国連のお墨付きを得た多国籍軍と名を改めようが、アメリカ連合軍がそのまま駐留を続けるかぎり、テロや戦闘はやまない。アメリカ軍がいかに掃討作戦をあの手この手でおこなっても収まりはすまい。
 「テロがあるから米軍が必要なのか、米軍がいるからテロが続くのか。人々は答を出しかねている。」と朝日新聞社説は書く(2004、7、4)。小泉首相は「イラク開戦時前からテロは各地にあった。イラク開戦があったからテロが起きたんじゃない。」(2004、7、6秋田県大曲市内での街頭演説)というが、イラクでは開戦前にテロが頻発することはなかったし、テロリストが暗躍することもなく、フセインとアルカイダのつながりもなかったことも今ははっきりしていることだ。イラクに米軍が来て、そこにい続けるようになってからテロが頻発しだしたことは誰の目にも明らかではないのか。アメリカ軍が居座り続け、テロやゲリラがおこなわれる原因・理由が存在するかぎり、いくら掃討・鎮圧しようとしても、テロやゲリラは絶えることはないのである。アメリカ以外の外国人が人質にされ、イラク人警察官や暫定政府高官が犠牲になることが多いが、ゲリラやテロの究極的なターゲットはアメリカ軍であり、次いでそれに加担している国の人間である。
 したがってテロやゲリラを鎮静させる最善の方法は、イラクの攻撃を始めて占領・駐留を続けているアメリカ軍とそれに加担している国々の軍(日本の自衛隊を含む)をすべて撤退させることである。そうすれば反米テロ・反米ゲリラは収まる。イラク国家・社会の治安回復・再建・復興は、そこから始まる。それらはイラク国民自身が主体となっておこない、それにたいする人的支援(サポート)は国連を中心とし、手を汚していない(すなわちイラク攻撃・占領に当ったアメリカとその連合国以外)国々(フランス・ドイツ・ロシア・中国・アラブ諸国など)の者たちでおこない、その経費は(イラク社会の秩序やインフラを破壊し荒廃させたその責任から)アメリカとその連合国が負担する。(それらのことは新たな国連決議で、国連が決める。)それ以外にないのではないか。
 しかしアメリカに、それに応ずるいさぎよさがあれば大したものだが、応じるわけがない、ということか。だとすればイラクは、パレスチナと同様いつはてることもなくテロやゲリラが横行し、治安回復・再建・復興はいつのことになるかわからない、ということにならざるをえまい。


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